フリーランスエンジニアのエージェント比較: マージン・支払いサイト・週 3 案件・保障で 5 社を選び分ける
レバテックフリーランス、ITプロパートナーズ、Midworks、ギークスジョブ、PE-BANK を、公式サイトで確認できた支払いサイト、保障、週 2〜3 日案件、福利厚生で比べました。面談で聞くべきこと、複数登録の使い方、SES から抜けたい人向けの転職エージェントも。
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フリーランスエンジニアのエージェントは、「案件を紹介してくれる会社」という点では同じですが、マージンの取り方、お金が入るタイミング、案件が切れたときの扱い が違います。ここを見ずに登録すると、同じ現場で同じ仕事をしているのに、隣の人より月 5 万円少ない、ということが起きます。
この記事では 5 社を、その「違いが出るところ」で比べます。私自身がフリーランスの PM をしていた 2 年間はエージェント経由の案件だったので、そのときに見た景色も交えます。
先に結論です。
| こういう人 | 向いているエージェント |
|---|---|
| 初めてのフリーランス。案件の幅を見たい | レバテックフリーランス |
| 会社員のまま副業で始めたい。週 2〜3 日 | ITプロパートナーズ |
| 案件が切れたときの保障が欲しい (有料) | Midworks |
| 追加の費用なしで福利厚生が欲しい | ギークスジョブ |
| 名古屋など地方で探す。手数料を知りたい | PE-BANK |
私が使っていたのは、レバテックフリーランスと PE-BANK の 2 社です。当時は名古屋の案件を探していたので、地元に強い PE-BANK に決めました。レバテックも案件の数が多く、紹介の連絡もよく来ました。会社員に戻った今でも、レバテックからは案件の紹介が届きます。
2 社を使ってみて分かったのは、案件の「量」と「地域」は別の軸だということです。全国で案件の数が一番多いところと、自分の住んでいる地域に強いところは、同じとは限りません。首都圏以外で探すなら、地域の拠点があるエージェントを 1 社は入れてください。
比べるときの軸
マージン (手数料)
エージェントは、クライアントが払う金額から手数料を引いて、残りをエンジニアに払います。この差がマージンで、一般に 10〜25% 程度 と言われます。問題は、多くのエージェントがマージンを公開していないことです。「あなたの単価は 70 万です」と言われても、クライアントが 85 万払っているのか 90 万払っているのかは分かりません。
この記事の 5 社で、公式サイトにマージン率を数字で出しているのは PE-BANK だけでした (2026-09-23 確認)。面談で「この案件のクライアント側の金額は」と聞くと、答えてくれることがあります。答えるかどうか自体が、そのエージェントの姿勢を見る材料になります。
支払いサイト
「月末締め、翌月 15 日払い」のように、働いた月の売上がいつ入るかです。会社員の給与は当月払いですが、フリーランスは 最初の入金まで 1 か月半〜2 か月 かかります。開業直後はこの空白を貯金でしのぐことになるので、短い方が楽です。
精算幅
「月 140〜180 時間」のように、単価が適用される稼働時間の幅です。下限を割ると減額、上限を超えると超過分が加算されます。幅が狭いと、少し休んだだけで減額されます。
契約形態と保障
準委任契約 (時間で働く) が大半です。エージェントによっては、案件の切れ目に給与を保障する制度や、正社員並みの福利厚生 (健康診断、保険の補助) を用意しています。その分マージンが高いことがあるので、保障の内容と手数料をセットで見ます。
案件の質
リモート可か、エンド直 (間に別の会社が入っていない) か、上流工程があるか。エンド直は単価が高く、指揮系統が単純です。逆に、間に 2〜3 社入っている案件は、単価が削られている上に、現場の情報が伝わってきません。
4 社の特徴
レバテックフリーランス
公式サイトによると、掲載案件数は 110,000 件以上 (2026 年 3 月時点) です。職種も言語も幅が広く、初めてのフリーランスが「自分のスキルでどの単価帯の案件が出るか」を知るには、まずここに登録するのが早いです。
支払いサイトは 15 日 (月末締め、翌月 15 日払い) が標準と、公式のガイドに書かれています。現場によって変わる場合もあります。マージン率は公開されていません。
ITプロパートナーズ
週 2〜3 日の案件 が多いのが最大の特徴です。公式サイトは「週 2、3 日の案件数はフリーランスエージェントの中でも随一」とうたっています。会社員のまま副業で始める、週 4 で自分のプロダクトの時間を残す、という働き方に向いています。
もう 1 つの特徴は エンド直 です。「間に仲介会社を挟まず、直接クライアントと契約している」と書かれています。スタートアップやベンチャーの案件が多いのも公式の説明どおりです。
支払いサイトとマージン率は、公式サイトでは見つけられませんでした。面談で確認してください。
Midworks
会社員に近い保障 を売りにしています。中心は、案件が切れたときに 契約単価の 60% を保障 する報酬保障サービスです。ただし条件があり、公式サイトには「審査あり」「お申込み後、担当コンサルタントと面談を行い、その面談内容等をもとに弊社にて審査」とあります。
保障や福利厚生は、有料の「パッケージプラン」に入って使う形です。月額 30,000 円を単価から差し引く 仕組みで、書籍・勉強会費の補助 (月 1 万円まで)、保険料の半額補助などが付きます。月 3 万円を払って保障を買う、と考えると、自分に要るかどうかを判断しやすいです。
支払いサイトは 20 日 が一般的と、公式の FAQ にあります。週 3〜4 日の案件もあります。マージン率は公式サイトでは見つけられませんでした。
ギークスジョブ
フリーランス向けの福利厚生プログラム「フリノベ」を無料で用意しているのが特徴です。Midworks のパッケージプランと違い、追加の費用はかかりません。
案件の地域は、公式サイトの検索が 東京・大阪・名古屋・福岡 の 4 つの近辺に分かれています。リモートでの参画も相談できる、と FAQ にあります。
支払いサイトとマージン率は、公式サイトでは見つけられませんでした。
PE-BANK
私がフリーランス時代に使っていたエージェントです。1989 年創業で、東京本社のほか、札幌・仙台・横浜・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・高松・広島・福岡・北九州に拠点があります。名古屋には中部支店 (中区錦) があり、首都圏以外で案件を探すときに頼りになりました。
一番の特徴は、手数料を公開している ことです。「共同受注」という契約の形で、報酬の分配率は 初回 85%、最大 90% と決まっています。マージンに直すと 10〜15% で、利用回数が増えるほど下がります。この記事の 5 社で、手数料を公式に数字で出しているのは PE-BANK だけでした。確定申告のサポートもあります。
PE-BANK は、このサイトが紹介料を受け取るアフィリエイトの対象ではありません。公式サイトは pe-bank.jp です。
比較表
各社の公式サイトで確認できたことだけを載せています (2026-09-23 確認)。「記載なし」は、公式サイトで見つけられなかったものです。面談で確認してください。
| レバテックフリーランス | ITプロパートナーズ | Midworks | ギークスジョブ | PE-BANK | |
|---|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 案件数 110,000 件以上 (2026 年 3 月時点) | 週 2〜3 日の案件、エンド直 | 報酬保障 (単価の 60%、審査あり) | 無料の福利厚生「フリノベ」 | 手数料を公開 (分配率 85〜90%) |
| 支払いサイト | 15 日 (月末締め翌月 15 日) | 記載なし | 20 日 | 記載なし | 記載なし |
| マージン率 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 10〜15% (初回 15%、利用回数で下がる) |
| 週 2〜4 日の案件 | 記載なし | あり (「随一」とうたう) | あり (週 3〜4 日) | 記載なし | 記載なし |
| 保障・福利厚生 | 記載なし | 記載なし | 有料のパッケージプラン (月 3 万円を単価から控除) | 無料のプログラム | 確定申告サポート、福利厚生あり |
| 案件の地域 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 東京・大阪・名古屋・福岡近辺 | 全国 13 拠点 (名古屋に中部支店) |
使い方: 複数登録して比べる
1 社だけに登録すると、そのエージェントが持っている案件の範囲でしか選べません。2〜3 社に登録して、同じ時期に出てくる案件の単価を比べる のが基本です。同じクライアントの同じ案件が、別のエージェントで別の単価で出ていることもあります。
面談で聞くこと
- この案件のクライアント側の単価 (答えてくれるかどうかも判断材料)
- 精算幅と、下限を割ったときの計算方法
- 支払いサイト
- 間に何社入っているか (エンド直か)
- 契約更新の周期 (1 か月か 3 か月か) と、終了の通知はいつまでか
- リモートの可否と、出社が必要な頻度
単価交渉
初回の提示は、エージェントが「通りそうな額」を出してきます。経験年数と領域で相場を知った上で (単価相場の記事)、相場より低ければ「他社で XX 万の提示がある」と言えば動くことが多いです。契約更新のタイミングでも交渉できます。
エージェントの担当者は、あなたの単価が上がると自分の売上も上がります。敵ではありません。ただし「早く決めたい」というインセンティブもあるので、急かされたときほど一度持ち帰ってください。
フリーランスではなく転職なら
「SES から抜けたい」「自社開発に移りたい」という場合、フリーランスではなく転職が答えのこともあります。会社員のまま環境を変える方が、収入の安定と厚生年金を保てます。
IT 特化の転職エージェントで、エンジニアの経歴を理解して案件を出せるところを 3 つ挙げます。
転職とフリーランスのどちらにするかは、単価相場の記事 の「会社員の年収と正しく比べる」を先に読んでから決めるのをおすすめします。
まとめ
- エージェントの違いはマージン、支払いサイト、精算幅、保障、案件の質に出る
- 初めてならレバテックフリーランスで案件の幅を見る (支払いサイト 15 日)。副業や週 2〜3 日なら ITプロパートナーズ。保障が欲しいなら Midworks (単価の 60%、審査あり、月 3 万円のプラン)。費用なしの福利厚生ならギークスジョブ
- マージン率を公式に数字で出しているのは PE-BANK (10〜15%) だけ。ほかの 4 社は記載がないので、面談で聞く
- 首都圏以外で探すなら、地域に拠点のあるエージェントを 1 社入れる (私は名古屋で PE-BANK を使った)
- 2〜3 社に登録して単価を比べる。面談ではクライアント側の単価と精算幅を聞く
- 単価交渉は相場を知ってから。更新のタイミングでもできる
- SES から抜けたいだけなら、転職の方が合うこともある